文科省で有識者ら議論、プログラミング教育の在り方について(その2)

文科省で有識者が議論したよ!プログラミング教育のねらいは何か?教育を通じていろんな事が身に付くんだぺフッ

これからの時代に求められる資質・能力とは

○  将来の予測が困難な時代の中で、これからの子供たちに求められるのは、これまでにないような全く新しい力ということではなく、従来からも重視されてきている読解力や論理的・創造的思考力、問題解決能力、人間性等について、加速度的に変化する社会の文脈の中での意義を改めて捉え直し、しっかりと発揮できるようにすることであると考えられる。


○  特に、情報化の進展という社会的な変化の中では、以下のような資質・能力が重要になると考えられることから、こうした力の育成が教育課程全体を通じて実現されることが強く求められる。


(1)情報を読み解く


○  複雑な情報を読み解くために必要な読解力は、時代を超えて常に重要なものであり、これからの時代においてもその重要性が変わることはない。情報化が進展する社会において求められる情報活用能力(世の中の様々な事象を情報とその結びつきとして捉えて把握し、情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用して、問題を発見・解決したり自分の考えを形成したりしていくために必要な資質・能力)の基盤となるのも、こうした読解力である。


○  情報化が進展し身近に様々な情報が氾濫する社会の中で、ますます高まる読解力の重要性とはうらはらに、視覚的な情報と言葉との結びつきが希薄になり、知覚した情報の意味を吟味して読み解いたりすることが少なくなっているのではないかとの指摘もある。子供たちが教科書の文章を読み解けていないのでないかとの問題提起[2]もあるところであり、全ての学習の基盤となる言語能力の育成を重視することが求められる。


○  中央教育審議会では、言語能力を構成する「テクスト(情報)を理解するための力」や「文章や発話により表現するための力」の要素を専門的に整理した上で、国語教育等において、語彙を豊かにすること、情報と情報の関係性を論理的に捉えるなど情報を多角的・多面的に精査し、構造化する力などが、発達の段階に即して系統的に育成されるよう、小・中・高等学校を見通して教育内容の充実を図ることが検討されている。プログラミング教育を含む全ての教育の前提として、こうした言語能力の育成に向けた国語教育等の改善・充実を図っていくことが不可欠である。


[2]国立情報学研究所が実施している中高生を対象とした調査による。

(2)情報技術を手段として使いこなしながら、論理的・創造的に思考して課題を発見・解決し、新たな価値を創造する


○  これからの時代を生きていく子供たちには、ますます身近となる情報技術を効果的に活用しながら、複雑な文脈の中から読み解いた情報を基に論理的・創造的に考え、解決すべき課題や解決の方向性を自ら見いだし、多様な他者と協働して新たな価値を創造していくための力が求められる。ここで言う「創造」とは、グローバルな規模でのイノベーションのような大規模なものに限られるものではなく、地域課題や身近な生活上の課題を自分なりに解決し、自他の人生や生活を豊かなものとしていくという様々な工夫なども含むものである。


○  子供たちが、情報技術を効果的に活用しながら、論理的・創造的に思考し課題を発見・解決していくためには、コンピュータの働きを理解しながら、それが自らの問題解決にどのように活用できるかをイメージし、意図する処理がどのようにすればコンピュータに伝えられるか、さらに、コンピュータを介してどのように現実世界に働きかけることができるのかを考えることが重要になる。


○  そのためには、自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力が必要になる。


○  こうした「プログラミング的思考」は、急速な技術革新の中でプログラミングや情報技術の在り方がどのように変化していっても、普遍的に求められる力であると考えられる。また、特定のコーディングを学ぶことではなく、「プログラミング的思考」を身に付けることは、情報技術が人間の生活にますます身近なものとなる中で、それらのサービスを受け身で享受するだけではなく、その働きを理解して、自分が設定した目的のために使いこなし、よりよい人生や社会づくりに生かしていくために必要である。言い換えれば、「プログラミング的思考」は、プログラミングに携わる職業を目指す子供たちだけではなく、どのような進路を選択しどのような職業に就くとしても、これからの時代において共通に求められる力であると言える。


○  また、「プログラミング的思考」には、各教科等で育まれる論理的・創造的な思考力が大きく関係している。各教科等で育む思考力を基盤としながら「プログラミング的思考」が育まれ、「プログラミング的思考」の育成により各教科等における思考の論理性も明確となっていくという関係を考え、アナログ感覚を大事にしていくことの重要性等も踏まえながら、教育課程全体での位置付けを考えていく必要がある。


(3)感性を働かせながら、よりよい社会や人生の在り方について考え、学んだことを生かそうとする


○  人間に備わるみずみずしい感性は、現実の物事を捉えながら、それを超えて想像を膨らませたり、相手の感情や考えに思いを馳せたり、まだ見ぬ未来の社会や人生の在り方について思いを巡らせたり、まだ存在しないものをつくりだすために創造的に考えたりすることを可能とする。


○  こうした人間ならではの感性を働かせながら、よりよい社会や人生の在り方について考えること、学んだことをそうした人生や社会の在り方に生かそうとすることは、私たちが人間らしく生きていくために重要な営みであると同時に、社会や産業の構造が変化し成熟社会に向かう中で、社会が求める人材像にも合致するものとなっている[3]。

○  現在、中央教育審議会では、資質・能力の三つの柱((1)何を理解しているか、何ができるか(知識・技能)、(2)理解していること、できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力)、(3)どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか(学びに向かう力、人間性等))が重要であるとの議論がされているところであり、知識・技能や思考力等のみならず、「学びに向かう力、人間性等」についても重視し、教育課程全体の中でバランス良く育んでいくことが期待される。


[3]シリコンバレーではIT教育以上に人間教育を重視する傾向にあるとの指摘もある。

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